お焚き上げとは、故人の遺品や神仏に関わるものを供養して火で焚く儀式である。

 

お焚き上げは、故人への供養や感謝の気持ちを込めて行うものであるが、いつ行うのが正しいのだろうか。

 

また、お焚き上げを行う時期や日程、曜日にはどのような決まりがあるのだろうか。

 

この記事では、お焚き上げについて、その意味や由来、行うタイミングや注意事項などを詳しく解説する。

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お焚き上げとは

お焚き上げとは、故人の遺品や神仏に関わるものを供養して火で焚く儀式である。

 

お焚き上げには以下のような目的がある。

 

  • 故人が大切にしていたものや思い出の品を故人に返す
  • 神仏や魂に元の場所へ還っていただく
  • 物に宿った思いや魂を供養する
  • 悪い縁を切る
  • 動物に関する製品を供養する

 

お焚き上げは、神社や寺院で宗教行事として行われることが多く、祈祷や読経によって浄化や供養が行われた後に火で焚くのが一般的である。

 

また、霊園や専門の業者で引き受けてくれるところもある。

 

以前は各家庭で燃やすことも少なくなかったようだが、現代は火災の心配や行政上の取り決めなどがあり各自で燃やすことはできなくなっている。

 

お焚き上げは、仏教と神道で解釈が異なる。

 

仏教では、「物に宿った魂を天に送って供養する儀式」「思い出の品を焚き上げて故人に返す儀式」と考えられている。

 

神道では、「火の神様の力を借りて天界へ還す儀式」と考えられている。

 

お焚き上げの起源は、平安時代に遡る。

 

宮中において、神事の際に場の浄化や神を招く意味を込めて焚かれた「庭燎(にわび・ていりょう)」という特別なかがり火や、「左義長(さぎちょう)」という火祭り、「柴燈護摩供(だいさいとうごまく)」という護摩法要などが、正月に歳神様を迎えた札などを焚くどんど焼きや、魂が宿ったものを供養するお焚き上げに繋がっていると考えられている。

 

お焚き上げを行うタイミング

お焚き上げを行うタイミングは、決まった日に行うものではない。

 

しかし、行われることが多いのは、四十九日法要の後や遺品整理が終わった後である。

 

以下に、お焚き上げを行うタイミングについて詳しく説明する。

 

節目を迎えたとき

目標を達成した時や遺品整理を整理したとき、新しい年を迎えた時など、節目となるタイミングにはよく行われる。

 

健康祈願や家内安全祈願など節目が曖昧な事柄にいては、1年を目安としたタイミングで一区切りと考えることが多いようだ。

 

具体的な例は以下の通りである。

 

  • 祈願していたことが一区切りついたりしたとき
     〇試験合格や昇進など目標達成したなど
  • お札やお守りについて、処分や買い替えをするとき
  • お札やお守りを購入して1年が経ったとき
  • 小正月や節分に行われる「どんど焼き」のとき
  • 遺品を整理するとき
     〇忌明けとされる四十九日の後
     〇1回忌などの年忌が終了した時
     〇気持ちの整理がついたタイミングなど
  • 引っ越しなどで持ち物を整理するとき

 

物を手放すとき

特別な節目ではなくても、大切に使ってきた道具や保管してきた思い出の品、古くなった仏具など、思いがこもっている物や神仏に関わるものを手放すときも、お焚き上げに適したタイミングと言えるだろう。

 

ただのゴミとして廃棄しにくい場合も、感謝を込めて手放すことが出来る。

 

神社やお寺が個別に決めた日

神社やお寺によっては、小正月や節分以外の時期を始め、お焚き上げの期間や開催日を決めているところもあり、そのタイミングに合わせてお願いするという方法もある。

 

また、お焚き上げしたいものを随時受け付けていて、ある程度集まったタイミングで執り行うというところもある。

 

持ち込み方法や持ち込みの期間、お焚き上げが可能な物品については、神社や寺院それぞれで違うので、事前に確認されると良いだろう。

 

お焚き上げの費用相場

お焚き上げを行う際にかかる費用は、無料で行える場合もあれば、段ボールの大きさや物品の種類によって異なる場合もある。

 

以下に、お焚き上げの費用相場について詳しく説明する。

 

無料で行える場合

無料で行えるお焚き上げは、「どんど焼き」である。

 

お札やいらなくなったお人形などのおもちゃなどを出せる。

 

しかし、故人の遺品となるものは出さないようにしよう。

 

どんど焼きは、1月15日(小正月)の頃に神社で行われる行事で、お正月飾りやお守りなどを集めて燃やす。

 

燃やすことで歳神様を天にお返しし、五穀豊穣や無病息災を祈る。

 

どんど焼きは地域によって日付や方法が異なる。

 

また、神社が指定したもの以外の物品を持ち込むのはマナー違反となるので注意しよう。

 

段ボールの大きさによって異なる

段ボールに入れてお焚き上げを依頼する場合は、段ボールの大きさによって費用が異なる。

 

一般的には、みかん箱くらいのダンボールにおさまる大きさであれば5000円から1万円くらい、紙類や写真などの小さいものであれば3000円くらいが目安である。

 

段ボールに入れる場合は、中身が見えないように封をしておこう。

 

また、気になる場合は手紙の住所や氏名を塗りつぶしておくと良いだろう。

 

位牌や神棚は1~3万円くらい

位牌や神棚は、大きくてお焚き上げに手間がかかるものだと考えられる。

 

そのため、他のものに比べて費用が高額になる。

 

一般的には、位牌や神棚のお焚き上げは1万円から3万円くらいが費用の目安である。

 

位牌や神棚は、故人や神様が宿っているとされるため、お焚き上げの前に閉眼供養や御祈祷をしてもらう必要がある。

 

そのため、費用に含まれているかどうか事前に確認しておこう。

 

お焚き上げを依頼する方法

お焚き上げを依頼する方法は、以下の3つがある。

 

  • 神社や寺院に持ち込む
  • 遺品整理業者に依頼する
  • 郵送で送る

 

それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の希望や状況に合わせて選びたい。

 

神社や寺院に持ち込む

神社や寺院に持ち込む方法は、最も一般的で安心できる方法である。

 

特に想いの詰まったものを処分したい場合は、祈祷や読経をしてもらって供養してもらうことができる。

 

しかし、神社や寺院によってはお焚き上げを受け付けていないところもある。

 

また、お焚き上げの対象となる物品や費用はそれぞれで違うので、事前に確認する必要がある。

 

遺品整理業者に依頼する

遺品整理業者に依頼する方法は、自分で持ち込むのが難しい場合や、量が多い場合におすすめである。

 

遺品整理業者は、自宅まで来てくれて、不要なものを分別して処分してくれる。

 

その中にお焚き上げに出したいものがあれば、神社や寺院と提携している業者に依頼すれば、代わりにお焚き上げをしてもらえる。

 

しかし、遺品整理業者に依頼する場合は、費用が高くなる可能性がある。

 

また、信頼できる業者かどうかを見極める必要がある。

 

口コミや評判をチェックしたり、見積もりを取ったりして比較検討しよう。

 

郵送で送る

郵送で送る方法は、自分で持ち込むのが面倒な場合や、近くにお焚き上げをしてくれる神社や寺院がない場合におすすめである。

 

郵送でお焚き上げを行ってくれるサービスもあるので、利用を検討してみてもいいだろう。

 

しかし、郵送で送る場合は、送料がかかることや、物品が破損するリスクがあることに注意しよう。

 

また、郵送先の神社や寺院が信頼できるかどうかも確認しておこう。

 

地元のお焚き上げの情報を上手に検索する方法

お焚き上げとは、不用になった愛用品や神仏に関わるものを供養して火で焚く儀式である。

 

お焚き上げは、故人や神仏への感謝や供養の気持ちを込めて行うものであるが、どこで行えばいいのか分からないという人も多いだろう。

 

この記事では、地元のお焚き上げの情報を上手に検索する方法について紹介する。

 

インターネットで検索する

インターネットで検索するのは、最も簡単で便利な方法である。

 

インターネットでは、以下のようなキーワードで検索すれば、地元のお焚き上げの情報が見つかる可能性が高い。

 

  • 「お焚き上げ」+「住所」
  • 「お焚き上げ」+「市町村名」
  • 「お焚き上げ」+「神社」
  • 「お焚き上げ」+「寺院」

 

例えば、「お焚き上げ 東京都」と検索すれば、東京都内でお焚き上げを行っている神社や寺院の一覧が表示される。

 

また、「お焚き上げ 浅草寺」と検索すれば、浅草寺でお焚き上げを行っている日程や費用などの詳細が表示される。

 

インターネットで検索する際には、以下の点に注意しよう。

 

  • 情報が古くなっていないか確認する
  • 情報源が信頼できるか確認する
  • 情報が正確かどうか電話やメールで確認する

 

 

神社や寺院に問い合わせる

インターネットで検索しても、地元のお焚き上げの情報が見つからない場合や、詳細が分からない場合は、直接神社や寺院に問い合わせるのも一つの方法である。

 

神社や寺院では、以下のようなことを教えてくれるだろう。

 

  • お焚き上げを行っているかどうか
  • お焚き上げを行っている日程や時間
  • お焚き上げに出せるものや出せないもの
  • お焚き上げに必要な費用や手続き

 

神社や寺院に問い合わせる際には、以下の点に注意しよう。

 

  • 営業時間内に電話やメールで問い合わせる
  • 丁寧な言葉遣いで問い合わせる
  • 必要な情報をメモしておく

 

地域情報誌やチラシをチェックする

地域情報誌やチラシは、地元のお焚き上げの情報を掲載していることがある。

 

地域情報誌やチラシは、以下のような場所で入手できるだろう。

 

  • 駅やバス停などの公共施設
  • スーパーやコンビニなどの商業施設
  • 図書館や市役所などの行政施設
  • 神社や寺院などの宗教施設

 

地域情報誌やチラシをチェックする際には、以下の点に注意しよう。

 

  • 情報が古くなっていないか確認する
  • 情報が正確かどうか電話やメールで確認する
  • 情報を持ち帰る場合は、許可を得る

 

 

おわりに

この記事では、お焚き上げについて以下のことを解説した。

 

  • お焚き上げとは
  • お焚き上げを行うタイミング
  • お焚き上げの費用相場
  • お焚き上げを依頼する方法
  • 地元のお焚き上げ情報の探し方

 

お焚き上げは、故人や神仏への感謝や供養の気持ちを込めて行う儀式である。

 

不要品として捨てられないものは、お焚き上げに出して心を清めよう。

 

この記事がお役に立てば幸いである。

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