日本食の重要な調味料である醤油。
この醤油には、いくつかの種類が存在している。
それら各醤油が持つ特徴と違いについて今回はお伝えする。
醤油の種類ごとの違いと特徴
醤油には種類がいくつも存在している。
それらの違いと特徴をまとめると、以下のような感じになる。
- 濃口醤油
○全国的に普及している一般的な醤油
○塩味、旨味、甘味、酸味、僅かな苦みを併せ持つ - 淡口醤油
○関西地方に普及している醤油
○色を薄めるため多くの塩を加えている - たまり醤油
○大豆の割合が多い醤油
→濃口醤油などは大豆と小麦がほぼ均等
○色が濃い
○とろみがある
○旨味が強い - 白醤油
○小麦粉の割合が多い醤油
○淡口醤油よりも色が薄い
○甘味、塩味が強い
○香りが独特 - 再仕込み醤油
○甘露醤油とも呼ばれる
○色や味が濃い
○旨味が強い
○熟成期間が長い
→完成した濃口醤油をもう一度仕込み直して作る
上記5種類が、基本的な醤油。
でもこれら以外にも醤油とされる物がある。
その1つが魚醤(ぎょしょう)
魚醤とは?
魚醤は、魚から作られる醤油
通常のしょうゆは大豆や小麦粉から作られるので、一般的な醤油とは根本的に違う。
有名な魚醤として、飽きた地方のしょっつる、石川県や能登地方のいしるが挙げられる。
醤油の作り方
醤油の原料となるのは、大豆、小麦、食塩、水。
一般的な分量は、大豆と小麦が各180g、食塩が160g、水が800ml。
上記の原料を用意し、以下のような手順を通すことで醤油は完成する。
- 大豆を蒸して柔らかくする
- 炒ってから細かく砕いた小麦を混ぜる
- 麹菌を加える
- 蒸し暑い部屋に置いておく
○麹菌を繁殖させるため - 食塩水を加える
- 半年ほど寝かせる
○発酵してもろみができる - もろみが熟成すると醤油っぽくなる
- もろみを絞って熱を加える
- 醤油が完成する
醤油の歴史は日本だと
醤油の歴史は、味噌から始まる。
鎌倉時代に中国から、金山寺味噌と呼ばれる味噌の作り方が日本に伝わってきた。
このとき伝わったのは、現在の和歌山県湯浅町などだとされている。
金山寺味噌は、水分の多い味噌。
このため味噌の入った樽の上にフタをして、重しとしていた。
しばらく寝かすと水分がドンドン溢れてくる。
この溢れた水分を取り除いていたけど、いつしかそれを舐める人が出てきた。
舐めた結果とても美味しく、金山寺味噌から出た水分が煮物に使われるようになる。
これが醤油の原型となった。
ちなみにフタの上に溜まった物であるため、この醤油はたまり醤油と呼ばれるようになる。
和歌山県湯浅町と大阪と江戸の醤油
日本で最初に作られたのは、先に述べた湯浅町のたまり醤油だとされている。
この湯浅町の醤油は、現在でも当時の方法で湯浅醤油という名で作られ続けている。
江戸時代になると、江戸っ子が好きな味の濃い醤油である濃口醤油が作られるようになった。
醤油の日って由来は?
10月1日は醤油の日とされている。
醤油の日が制定されたのは2002年。
なぜ10月1日が醤油の日になったのかと言うと──10月=干支の10番目である酉(とり)にあたる月だから。
この酉と言う感じは、甕(かめ)から出来た文字。
甕というのは、酒や味噌、醤油を作るときに使われた器。
また酉という文字は、醤油の醤などにも使われている。
このため10月が醤油の日とされた。
ちなみになぜ1日なのかと言うと、そこは適当に決めたので深い意味はない。
終わりに
今回は、色々と種類のある醤油の各特徴と違いについてお伝えした。
醤油を分けるとき、基本となるのは5つ。
これらを料理に合わせて使い分けることになる。
でも使い分ける場合には、料理の特徴をしっかりと押さえる必要がある。
だから醤油の使い分けは、料理経験が豊富になってからと考えた方がいいかも。