お焚き上げとは、想いが込もっていて直接捨てるのは忍びないお品について、神社やお寺に祈祷や読経を依頼して手放す行い。
お焚き上げは、ご祈祷やお経などのお祈りを捧げてお品を「浄化」すること、その後にお品を焼いて「浄火」することの二つの行いから成り立つ。
お焚き上げの対象となるものは、お守りやお札、仏壇や位牌などの神仏具だけではない。
亡くなった人の遺品や思い出品、愛用品などもお焚き上げに出すことができる。
また、食品もお焚き上げに出すこともできてしまう。
では、どんな食品がお焚き上げに適しているのだろう?
また、どんなレシピがあるのだろうか?
そして、お焚き上げに出す食品にはどんな注意点があるのだろうか?
それでは一つずつ見ていこう。
1. お焚き上げに適した食品
お焚き上げに出す食品は、基本的には何でも構わない。
しかし、以下のようなポイントを考慮するとより良いとされている。
- 焼くことで香ばしくなるもの
- 焼くことで形が崩れにくいもの
- 焼くことで煙や臭いが少ないもの
- 焼くことで有害物質が発生しないもの
- 焼くことで感謝や供養の気持ちが伝わりやすいもの
具体的には、以下のような食品がおすすめ。
- お餅や団子
- 乾物や干物
- 野菜や果物
- 豆類や穀物
- 麩菓子や煎餅
これらの食品は、炎で温めることで香りが立ち、味わいが増す。
また、形が崩れにくく、煙や臭いも少なく、有害物質も発生しない。
さらには、古来から日本人に親しまれてきた食材であるため、感謝や供養の気持ちが伝わりやすいと言える。
2. お焚き上げ食品のレシピ
お焚き上げ食品は、そのままでも良い。
でも、少し手を加えることでより美味しく楽しむことができる。
以下に簡単なレシピをご紹介させて頂く。
1) みたらし団子
材料(4人分)
- 白玉粉:200g
- 水:150ml
- 油揚げ:1枚
- 醤油:大さじ4
- 砂糖:大さじ4
- 水:100ml
- 片栗粉:大さじ2
作り方
- 白玉粉と水をボウルに入れてよく混ぜる
〇耳たぶくらいの硬さの生地を作る - 生地を小さく丸める
- 沸騰したお湯で茹でる
- 茹でて浮いてきた物からすくい上げて、用意した水にさらす
- 油揚げは油を切って細切りにする
- 鍋に醤油、砂糖、水を入れて中火にかける
- 沸騰したら片栗粉を溶いた水を加えてとろみをつける
- 竹串に団子と油揚げを交互に刺す
- 醤油だれをからめる
- お焚き上げの火で温めて食べる
2) 野菜の串焼き
材料(4人分)
- 人参:1本
- じゃがいも:2個
- さつまいも:1本
- かぼちゃ:1/4個
- ブロッコリー:1/4株
- カリフラワー:1/4株
- 塩:適量
- 黒こしょう:適量
- オリーブオイル:適量
作り方
- 人参、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃは皮をむいて一口大に切る
ブロッコリーとカリフラワーは小房に分ける - 野菜を耐熱皿に入れてラップをかける
- 電子レンジで5分ほど加熱する
- 竹串に野菜を好みの組み合わせで刺す
- 塩と黒こしょうで味付けする
- オリーブオイルを軽く塗る
- お焚き上げの火で焼き色がつくまで焼いて食べる
3) 果物の串焼き
材料(4人分)
- りんご:1個
- みかん:4個
- バナナ:2本
- レモン汁:大さじ2
- 砂糖:大さじ4
- 水:大さじ2
作り方
- りんごは皮をむいて一口大に切る
みかんは皮をむいて実だけにする
バナナは皮をむいて斜めに切る - レモン汁と水を混ぜたボウルに果物を入れて軽く絡める
- 竹串に果物を好みの組み合わせで刺す
- 鍋に砂糖と水を入れて中火にかける
- シロップ状になるまで煮詰める
- 果物の串にシロップをからめる
- お焚き上げの火で表面がキャラメル色になるまで焼いて食べる
3. お焚き上げ食品の注意点
お焚き上げ食品は、気軽に楽しめるものだが、以下のような注意点もある。
- 焼くことで有害物質が発生する可能性があるものは避ける
〇例えばプラスチックやアルミなどの容器 - 焼くことで栄養や効能が失われる可能性があるものは避ける
〇例えば乳製品や肉類などの動物性食品 - 焼くことで食べる人に敬意を表すことができるものを選ぶ
〇例えば地元産や旬のもの、手作りのものなど - 焼くことで神仏に供えることができるものを選ぶ
〇例えば五穀や果物、菓子などの供物
4. お焚き上げ食品の栄養や効能
お焚き上げ食品は、ただ捨てるだけではなく、火にかけて食べることで、栄養や効能を得ることができる。
以下にいくつかの例を挙げる。
- お餅や団子
〇炭水化物の主要な源
〇エネルギーを補給することができる
〇炎で温めることで表面がカリカリになり、食感や風味が増す - 乾物や干物
〇水分が少なく保存性が高い
〇栄養素も凝縮されている
〇特に干し椎茸はビタミンDの含有量が高い
〇更に干し椎茸はカルシウムの吸収を促進する効果がある - 野菜や果物
〇タミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富
〇免疫力や消化機能を高める効果がある
〇炎で温めることで甘みや香りが引き出され、美味しく食べられる - 豆類や穀物
〇タンパク質や脂質、炭水化物などの栄養素がバランスよく含まれている
〇健康的な食事の基本となる
〇炎で温めることで香ばしさやコクが増す - 麩菓子や煎餅
〇小麦粉や米粉などの穀物から作られている
〇炭水化物や食物繊維などの栄養素が含まれている
〇炎で温めることでパリパリになり、噛み応えがある
5. お焚き上げ食品の保存方法や賞味期限
お焚き上げ食品は、基本的には長期保存が可能なものを選ぶと良い。
しかし、保存方法や賞味期限にも注意する必要がある。
以下にいくつかのポイントを紹介する。
- お餅や団子
〇乾燥させて保存すると
→カビや虫に侵されにくくなる
〇冷凍保存することも可能である
〇賞味期限は乾燥させた場合は数ヶ月から1年程度
〇冷凍保存した場合は数ヶ月程度 - 乾物や干物
〇密閉容器に入れて冷暗所に保存すると
→湿気や虫による劣化を防げる
〇賞味期限は乾物は数ヶ月から1年程度
〇干物は数週間から数ヶ月程度 - 野菜や果物
〇新鮮なうちにお焚き上げに出すのが望ましい
〇保存する場合は、冷蔵庫や冷凍庫に入れると良い
〇賞味期限は野菜は数日から数週間
〇果物は数日から数ヶ月程度 - 豆類や穀物
〇密閉容器に入れて冷暗所に保存すると
→湿気や虫による劣化を防ぐことができる
〇賞味期限は豆類は数ヶ月から1年程度
〇穀物は数ヶ月から数年程度である。 - 麩菓子や煎餅
〇密閉容器に入れて冷暗所に保存すると
→湿気や虫による劣化を防ぐことができる
〇賞味期限は麩菓子は数ヶ月から1年程度
〇煎餅は数ヶ月から半年程度
6. お焚き上げ食品のアレルギーや食中毒の対策
お焚き上げ食品は、火にかけて食べることで安全性が高まると思われがち。
でもアレルギーや食中毒のリスクもゼロではない。
以下にいくつかの対策を紹介する。
- アレルギーのある人
〇自分のアレルギー源となる食品を避ける
〇事前に薬を服用するなどして対処する
〇他の人にも配慮する
〇アレルギー源となりやすい食品をお焚き上げに出す場合
→他の人にも分かるように明示する - 食中毒の予防のために
〇新鮮な食品を選ぶ
〇清潔な器具や手で扱うことが重要
〇火を通す際には十分に加熱する
→食べる前に中まで火が通っていることを確認する - 火傷や火災の予防のために
〇お焚き上げの火を扱う際には注意深く行うことが必要
〇火を消す際には水や砂などを用意し、完全に消火する
7. お焚き上げ食品のバリエーションやアレコレ
お焚き上げ食品は、伝統的なものだけではなく、自分の好みや工夫で様々なバリエーションを楽しむことができる。
以下にいくつかの例を挙げる。
- チーズやチョコレートなどをトッピング
〇甘辛い味わいを楽しめる - マシュマロやキャンディーなどを混ぜる
〇カラフルで可愛らしい見た目を楽しめる - スパイスやハーブなどを加える
〇香り豊かでエスニックな味わいを楽しめる - ナッツやドライフルーツなどを加える
〇食感や栄養価が高まる - お酒やソースなどをかける
〇風味やジューシーさが高まる - アイスクリームやホイップクリームなどを添える
〇冷たいものと温かいもののコントラストを楽しめる
8. まとめ
お焚き上げ食品は、神仏に感謝や供養の気持ちを表すだけではない。
自分や家族や友人と一緒に美味しく楽しく食べることもできる。
お焚き上げに適した食品やレシピ、注意点などを参考にして、お焚き上げ食品を作ってみよう。
お焚き上げの火で温められた食品で、心も体も温まるかもしれない。