催眠療法とは、心理療法の一種。
催眠状態に入って自分の内面と向き合いながら、悩みやストレスの原因を探ったり、解決の糸口を見つけたりする療法のこと。
この催眠状態とは、普段の意識とは違うリラックスした精神状態のこと。
催眠状態になると、普段は自覚していない潜在意識にアクセスしやすくなる。
潜在意識には、過去の記憶や感情、無意識的な思い込みや信念などが格納されている。
これらが私たちの人生や人間関係に大きな影響を与えて様々な問題行動や誤った判断を生じさせる。
催眠療法では、潜在意識にある問題の根源を発見し、それを変えることで、本来の自分のあり方を取り戻すことを目指すことになる。
催眠療法の効果
催眠療法には、さまざまな効果が期待できる。
代表的な効果を挙げると以下のような感じになる。
- 自己肯定感が高まる
- ストレスや不安が軽減される
- 悪い癖や依存症が改善される
- 集中力や記憶力が向上する
- 創造力や直感力が発揮される
- 心身の健康が促進される
- 人間関係やコミュニケーションが円滑になる
催眠状態で潜在意識にアプローチすることで、自分でも気づいていなかった自分を発見したり、これからの人生のヒントが見つかったりする。
また、催眠中はとてもリラックスしていて、外からの暗示を受け入れやすい状態になっている。
私たちは、強い暗示をかけられると、それを本当のことだと思い込む性質がある。
これを利用することで、自分に対して肯定的な暗示を与えたり、目標達成に向けて前向きな暗示を与えたりすることで、自信やモチベーションを高めることができる。
催眠療法のデメリット
催眠療法は多くの効果が期待できる。
一方で、デメリットもあるので注意をしたい。
- 費用が高い
- 施術者の技術にムラがある
- トラウマを誘発する可能性がある
費用が高い
催眠療法は医療行為ではない。
このため、保険適用外となる。
また、一回ごとにかかる費用も高額になりやすく、金銭的な負担が大きい。
さらに、セラピストによって一回あたりのカウンセリングにかかる費用や、必要な回数が異なるため、事前に確認することが大切。
催眠療法の相場は、1回あたり2万円〜6万円程度。
施術者の技術にムラがある
催眠療法はセラピストとクライアントの相性や、セラピスト自身が持っている技術によって効果に大きな違いが出る。
催眠療法を行うには、公的な資格は必要ない。
そのため、技術や経験の不足したセラピストも存在する。
また、催眠療法には様々な手法があるけど、すべての手法がすべての人に効果的というわけではない点にも注意が必要。
例えば、前世退行催眠という手法は、スピリチュアルな方向に興味がある人には有効。
一方で合理的に物事を考える人や占いなどに興味のない人には効果が低いと言われている。
そのため、自分に合った手法やセラピストを選ぶことが重要となる。
トラウマを誘発する可能性がある
催眠療法は、トラウマや心の傷を癒すことができる。
でも場合によっては逆効果になることも。
これは催眠状態で過去の辛い記憶を思い出すことで、恐怖や悲しみを再体験してしまうことがあるため。
また、セラピストの誘導が不適切だと、クライアントの記憶を改変してしまうことすらある。
これらのことは、クライアントの心身に悪影響を及ぼす可能性がある。
そのため催眠療法を受ける際には、信頼できるセラピストを選ぶことや、自分の気持ちを正直に伝えることが大切となってくる。
催眠療法を受ける前に知っておきたいこと
催眠療法を受ける前に知っておきたいことは、以下のようなものがあげられる。
- 催眠術師の資格や経歴を確認する
- 催眠術師と事前にカウンセリングを行う
- 催眠術師と信頼関係を築く
- 催眠術師から施術内容や目的、期待できる効果や副作用などを説明してもらう
- 催眠術師から同意書や契約書などを提示してもらう
- 催眠術師から施術後のフォローアップやアフターケアの方法を教えてもらう
催眠術師の資格や経歴を確認する
催眠術師は医師ではない。
そのため、医学的な知識や技能は必ずしも保証されているわけではない。
また催眠術師によっては、非科学的な方法や倫理的に問題のある方法を用いる場合も。
そのような催眠術師から施術を受けると、危険な結果になる可能性があるので注意をしたい。
そのため催眠術師の資格や経歴を確認することは非常に重要となってくる。
日本では、日本臨床催眠学会や日本ヒプノセラピー協会などの団体が催眠術師の資格認定制度を行っている。
これらの団体に所属している催眠術師は、一定の基準を満たしていると考えられる。
しかし、これらの団体以外にも多くの催眠術師が存在する。
その場合は、催眠術師のウェブサイトや口コミなどを参考にして、信頼できる催眠術師を見つけることも考えよう。
催眠術師と事前にカウンセリングを行う
催眠術師と事前にカウンセリングを行うことは、催眠療法の効果に大きく影響する。
カウンセリングでは、あなたの悩みや目標、期待や不安などを催眠術師に伝えることになる。
催眠術師は、あなたの状況やニーズに合わせて、最適な催眠療法のプランを提案する。
催眠術師と信頼関係を築く
カウンセリングをすることで、催眠術師と信頼関係を築くことができる。
催眠療法は、催眠術師とクライアントの協力が必要。
催眠術師に対して信頼感や安心感を持つことで、催眠状態に入りやすくなる。
逆に、催眠術師に対して不信感や不安感を持つことで、催眠状態に入りにくくなる。
そのため、カウンセリングでは、催眠術師の人柄や雰囲気を確かめることも大切。
催眠術師から施術内容や目的、期待できる効果や副作用などを説明してもらう
催眠術師から施術内容や目的、期待できる効果や副作用などを説明してもらうことは、催眠療法の安全性や効果性に関わる。
催眠療法は、あなたの意思や同意のもとで行われるべきもの。
そのため、施術前には、催眠術師から施術の流れや手法、目的や目標、期待できる効果や副作用などを詳しく説明してもらうことが必要。
また施術中には、催眠術師から暗示や指示を受けるけど、それらに対して自分が納得できるかどうかを確認することも必要。
もし、施術内容や目的に疑問や不安がある場合は、催眠術師に質問したり、拒否したりすることができます。あなたはいつでも施術を中止する権利を持っていることを忘れないようにしよう。
催眠術師から同意書や契約書などを提示してもらう
催眠術師から同意書や契約書などを提示してもらうことは、催眠療法の契約上の問題を防ぐために重要。
催眠療法は医療行為ではないけど、それでもあなたの心身に影響を与える可能性がある。
そのため施術前には、催眠術師から同意書や契約書などを提示してもらうことが望ましい。
同意書や契約書には、施術内容や目的、費用や回数、キャンセルポリシーや返金制度などが記載されている。
これらの内容をよく確認し、納得した上で署名することで、後々のトラブルを避けることができる。
催眠術師から施術後のフォローアップやアフターケアの方法を教えてもらう
催眠術師から施術後のフォローアップやアフターケアの方法を教えてもらうことは、催眠療法の効果を持続させるために重要。
催眠療法は一回で完結するものではなく、継続的に行うことでより効果が高まる。
また催眠状態から覚醒した後には、自分の体験や感情を整理したり、日常生活に活かしたりすることが必要。
そのため、施術後には、催眠術師から以下のようなことを教えてもらうことが望ましい。
- 施術中に何が起きたか、どんな暗示が与えられたか、どんな効果があったかなどのフィードバックを受ける
- 施術中に思い出したり感じたりしたことについて話し合う
- 施術中に与えられた暗示を自分で再生する方法や、自分で自己催眠をかける方法を学ぶ
- 施術後に起こりうる副作用や反動について注意される
- 施術後に気をつけるべきことや、効果を高めるためのアドバイスをもらう
- 次回の施術の日程や内容を決める
これらのフォローアップやアフターケアは、催眠療法の成功に欠かせないもの。
催眠術師から十分なサポートを受けることで、催眠療法の効果を最大限に引き出すことができる。
おわりに
以上が、催眠療法に関する情報。
この記事では、催眠療法とは何か、どんな効果があるか、どんなデメリットがあるか、催眠療法を受ける前に知っておきたいこと、催眠療法を受けた後に教えてもらうべきことなどを詳しくお伝えした。
催眠療法は科学的な根拠に基づいた心理療法の一種であり、多くの人がその恩恵を受けることができる。
しかし催眠療法は万能ではない。
自分に合った手法やセラピストを選び、自分の意思や同意のもとで行うことが大切となる。
また催眠療法を受ける場合、施術者から日常の中で”○○を行いましょう”というような内容を伝えられることもある。
そういった行った方が良いと言われたことは、無理のない範囲で良いので行っていくことも大切。
これは施術者から伝えられたことを実践することで、催眠療法の効果が定着しやすくなったりするため。