日本では中秋の名月には、お団子を用意してお月見をしますよね。
この日には中国でも中秋節(ちゅうしゅうせつ)という行事が行われ、月餅(げっぺい)が食べられます。
今回は、月餅が中国で食べられるようになった由来などをお伝えさせて頂きます。
中国の中秋節
中秋節は、中国の三大節の1つ。旧暦の8月15日に、十五夜の月を楽しみながら秋の豊作を祝う行事。
満月は円満や完璧の象徴と中国では考えられており、1年で最も美しい中秋節の満月は特に大切にしています。
この日は、嫁いだ娘も生家に戻って家族たちと一家団らんを楽しみます。
この中秋節が平安に入り、日本に伝わって中秋のお月見に変化していったとされています。
ちなみに旧暦の7月~9月は、新暦だと8月~10月ですよ。
中秋節に月餅を食べる由来
中国の中秋節で月餅が食べられ始めたのはいつなのか?
この事については説が色々とあり、619年~907年頃か1280年~1368年頃だとされています。
ではどのうな由来があるのかというと──。
- 丸い月餅は満月の形を意味している
○家族団らんや家族円満を表すシンボル
○家族が集まって輪になった状態が丸い形だから
→満月が団らんのシンボルとされている - モンゴルの支配を受けていた漢民族決起の助けになった
○月餅の中の餡に言葉を書いた紙を仕込んだ
→8月15日に総攻撃をかけるという言葉
→食べようとした人々が見つけ一斉蜂起
→モンゴル支配の時代が終わったとされる
中秋の名月でお馴染み月餅は中国だと?
満月を表しているとも言われる月餅。でも四角い形も中国では一般的です。
あと中秋節にお供えする場合、果物も一緒にお供えすることが多いですよ。
月餅の餡について
月餅の餡には色々な種類があります。
小豆餡、黒ゴマ餡、ハスの実の餡、松の実の餡など幅が広いですよ。
それだけでなく肉やハムを使った物やアヒルの卵が入った物なんかもあります。
月餅の中にアヒルの卵を入れた場合の意味
アヒルの卵を塩漬けにした物(鹹蛋=シェンタン)を月餅の餡に入れる場合もあります。
この場合丸い黄身が、満月を表していますよ。
黄身が入っている月餅は、均等になるように放射線状に切り分けると見栄えがよいので心がけると良いかもしれませんね。
中国には月餅を贈る習慣がある
中国には月餅を知り合いに贈る習慣があります。
商品券で月餅と引き換えるシステムがあったり、社会にかなり溶け込んだ習慣だと言えます。
ですが2013年からは月餅を公費で購入して贈るのは禁止となりました。
というのも、賄賂を隠して贈る道具として月餅が使われていたからです。
月餅の食べ方
月餅は、基本的に1人で食べる物ではありません。
小さく切り分けて食べるのが基本となります。
月餅の餡というのは日本の餡よりも粘りが強いので、包丁で切ると口当たりがよくなるからです。
この理由から月餅は切り口が美味しいと言われることも多くありますよ。
終わりに
今回は中秋の名月の原型でもある中秋節の定番お菓子、月餅についてお伝えしました。
日本のメーカーから発売されている月餅は日本人好みに手を加えられています。
ですが、中国の作り方を基にして作られた月餅は、餡などが日本の一般的な物とは少し違っていたりします。
このため美味しく食べるのであれば、包丁で切り分けるなどの中国流の食べ方を基本と考えた方がよいかもしれませんね。
中秋の名月関連の記事
中秋の名月と似た言葉に、十六夜があります。
これらの言葉は微妙な違いしかないから、使い分けるのが大変かもしれません。
月見団子関連の記事
月見団子を食べるとき、カロリーが気になる方も多いのではと思います。
カロリーについては月見団子その物だけでなく、きな粉や餡子といった付けて食べる物にも気を使う必要があるということです。
月見団子があまった時の記事
月見団子があまってしまった場合、保存方法に気をつけたい。
他の食べ物もそうだけど、保存方法次第で食べられる期間が大きく変わってきます。
月見団子の形
月見団子の形は、地域ごとに違います。
だから形の違いを楽しむ事も可能ですよ。